グローバルウェイのビジネスアプリケーション事業本部では、約8年前からPythonでのフルスクラッチ開発を行っています。
2016年頃というと、Pythonは現在ほどメジャーなプログラミング言語ではない時代です。そんな中で、グローバルウェイはなぜPythonを選び、どのようにして貴重なPython人財に恵まれてきたのでしょうか?
今回は、ビジネスアプリケーション事業本部を牽引する2人にお話を伺います!
お話しを伺った人
ディレクター永井 謙史さん
プリンシパル小野 俊樹さん
グローバルウェイのビジネスアプリケーション事業本部では、主に法人向けサービスを取り扱っています。
各企業が保有する業務システムを活かしつつ、最適なクラウドソリューションを組み合わせた新たなデジタルプラットフォームを構築することが得意です。
そしてこれを社内で一気通貫に開発・ご提供している点が、我々の強みだと考えています。
その上で、「プラットフォーム構築支援サービス」「運用サポートサービス」を提供しております。
プラットフォーム構築支援サービスでは、お客様からの要望をヒアリングし、我々が保有しているシステム資産や提携している各種アライアンス先のソリューションと組み合わせることで、お客様へ最適なサービスを提案しながら問題解決にあたります。
近年はPython言語をベースにしたDjangoフレームワークでのWebアプリケーション開発を主軸にサービス提供中です。
また、アプリケーション開発だけでなくインフラ関連の技術者も保有しているため、例えばAWS環境構築からアプリケーション開発、保守運用までを一貫してサービス提供できます。
運用サポートサービスとしては、各種保守運用業務を通年単位で実施しております。
問い合わせの専用サイトを設けており、主にチケットでの問い合わせや保守対応の依頼に対応しております。またAWSに関しては、マネージドサービスの提供も実施しております。
業種に関しては、通信会社様や教育関係会社様、資材メーカー様、健康機器メーカー様など様々です。
通信会社様に関しましては、代表・役員ともに元NTT出身であり、上場前のグローバルウェイでPMエンジニアとして活躍してきたという背景から、業界内でも信頼を構築してきた実績があります。
また、グローバルウェイは営業部隊をもっておりません。
理由は、お客様への提案や折衝に関してもエンジニア主体で実施していくことで、よりお客様の問題解決に沿った対応をスピーディに進めていけるようにしているためです。
グローバルウェイでは、コンサルティングから要件定義、開発、保守運用まで幅広く経験したフルスタックのエンジニア育成を目指しています。
そのため、受注に関しましても一次請けで開発することを大事にしており、100%自社内でチーム開発を行うようにしております。
そもそも以前はグローバルウェイもJava主体のWeb開発をおこなっていました。
ただ、あるお客様から8年ほど前に既存システムのリプレースを依頼され、それを実現するためPython開発を行うようになりました。
このプロジェクトは海外グループが開発したもので、改修・機能拡張ともに海外グループの確認が必要となり、単価も⾼いという課題がありました。
そのブラックボックス化している部分をホワイトボックス化するため、お客様はリプレースを希望されていたのです。
⼤規模なアプリの開発では多くのメンバーが参加するため、「コードのわかりやすさ」「保守性の⾼さ」が求められます。
その2つの条件を満たせるのはどれかということで、Java/PHP/Ruby/Python等の言語を比較したとき、もっとも理想的だったのがPythonでした。
Pythonの設計思想である「誰が書いても可読性の高いコード」という点と、コンパイルが不要な「書いていて楽しいスクリプト言語」であること、アカデミックなシーンでも採用されている実績から、Pythonを採用することとなりました。
当時はJavaが人気で、PythonでWebアプリケーション開発を行う企業はほとんどなかった時代です。
しかしPythonを採用したことで、以前は1ヶ月に1回だったリリースのサイクルが、1週間に2、3回できるようになりました。
これは、先ほど挙げた条件を満たすPythonだからこそ実現できたスピードです。開発サイクルが速くなったことで、機能拡張にも柔軟に対応できるようになりました。
昨今ではPythonが「実務で使用されている言語No.1」にもなっており、Web開発にとどまらずデータサイエンス/機械学習/AI/自動化などさまざまな分野で利用されています。
またコードもシンプルな記載であるとともに、ライブラリも豊富なため生産性も高いというメリットがあります。
DjangoはWebアプリケーションに必要となる様々な機能を標準で搭載した、フルスタックのフレームワークです。そのため、一度フレームワークの仕組みを理解すると開発が比較的容易にできるほか、標準でセキュリティ回りの機能を備えている為、昨今問題となっているWebシステムにおける脆弱性にもDjangoのみで対応が可能です。
これにより大規模システムにおける多人数での開発で、安定した品質・メンテナンス性が期待できるメリットがあります。
既に海外大手でも実績があり、将来性が高く、コミュニティが活性化され続けていることもメリットだと考えます。
グローバルウェイでは、他言語からPythonエンジニアにシフトできるように独自のPython教育プログラムを保有しています。
社員・協力会社さん問わず、弊社プロジェクト参画時に約1週間の研修を受講していただき、受講後に業務についていただきます。
また、本プログラムの中で一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会の「Python 3 エンジニア認定基礎試験」を受験していただき、資格取得までセットで実施しています。昨年から始めた取り組みですが、現状までに約40名がこの基礎試験に合格して業務についていただいています。
このように、Python未経験者でも一定の技術をつけてから業務に従事させ、品質を担保しています。
また、この独自研修を再編したものを、個人向けに無料で提供しております。
こちらの「グローバルウェイ Python教育サービス 3days 基礎」では、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の受験費用も弊社が負担します。
キャリアパスの相談にも乗っているので、Pythonエンジニアとして活躍していきたい方は是非お問合せください。
ビジネスアプリケーション事業本部のどのプロジェクトでも、グローバルウェイの独自研修でPython開発者となったエンジニアが活躍していますが、今回は2件の開発事例を紹介します。
①Djangoによる教育機関の社内システム フルスクラッチ構築
もともとExcelベースで教育カリキュラムを管理していたものを、教室横断で見えるようにWeb管理化しました。インフラ、アプリ、保守までフルスクラッチ開発を実施しています。
構成としてはVue+DjangoRestFrameworkを採用しました。
2021年の春~夏に開発し、リリース。以降1年半、保守運用中です。
②Djangoによる通信会社のポータルサイト構築
契約ユーザ様向けのカスタマーポータル、および運用者様向けのオペレーションポータルの構築およびエンハンス対応を致しました。
プロジェクトには常時30名ほどが、複数のプロジェクトに分かれて参画していました。主にエンハンス開発を対応し、フロントからバックエンド、またバッチやAPIまで幅広く携わりましたね。
8年以上の実績があり、現在も保守対応を実施中です。
はい、続けています。
ビジネスアプリケーション事業本部では現在もエンジニア採用を積極的に行っていますが、応募条件に「Pythonでの開発経験があること」というのは入れていません。先ほどお話した独自研修があるためです。
以前はPythonを条件にしてもエンジニアが集まりませんでしたが、現在Pythonは人気の言語になってきています。Pythonエンジニアとして活躍していきたいと考えているJavaやC言語開発者の方は、ぜひ会社説明会にご応募頂ければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
グローバルウェイのビジネスアプリケーション事業本部に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひご連絡ください!
まずはカジュアル面談からという方も大歓迎です。
永井 謙史(Nagai Kenji)
株式会社グローバルウェイ ビジネスアプリケーション事業本部 ディレクター2000年卒。1社目ではWeb開発を主体。2社目では主に組み込み開発を実施。
2021年に現グローバルウェイに入社。PythonでのWeb開発のプロジェクトマネージメントをメインで実施。現在はディレクターとしてビジネスアプリケーション事業本部の統括をおこなっている。
小野 俊樹(Ono Toshiki)
株式会社グローバルウェイ ビジネスアプリケーション事業本部 プリンシパルウェブアプリ開発ベンダー、大手コンサルファームでの技術職を経て、2019年にグローバルウェイに入社。現在は技術責任者「プリンシパル」としてAPI連携基盤、ウェブアプリケーションのスクラッチ開発、SFDC開発に従事している。
グローバルウェイがJavaをメイン開発言語としていた時代から在籍しており、Pythonへの転換に携わった人物。