グローバルウェイの製造業向けソリューション「Manufacturing Cloud +」で何ができるのか? セールスフォース事業本部の渋谷豊昭さんに聞く

グローバルウェイは2021年11月、オリジナルソリューションパッケージ「Manufacturing Cloud +(プラス)」の提供を開始しました。SalesforceのManufacturing Cloudの導入と、基幹システムなどとの連携を実現するソリューションとしては、国内初の早さで提供されています。

「Manufacturing Cloud +」とはどのような機能を備えているのか、導入で何ができるようになるのか。セールスフォース事業本部マネージャーの渋谷(しぶや)豊昭さんに、ソリューションの中身について聞きました。

Salesforceのビジネスアプリを使いやすく

グローバルウェイ セールスフォース事業本部マネージャーの渋谷豊昭さん

――「ManufacturingCloud +」とは、どのようなソリューションなのでしょうか。

Salesforceのビジネスアプリケーション「Manufacturing Cloud」を、ユーザー企業が使いやすくするためのソリューションです。

SalesforceはSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)を軸に展開していますが、Manufacturing Cloudはさらに製造業向けに特化した機能を付け加えた商品となります。

Manufacturing Cloudには営業活動を支援するSales Cloudが搭載されており、取引先や見込み客の管理、取引先責任者の管理、商談管理、ワークフローと承認の自動化、チームの売上予測のリアルタイム表示などが可能です。また、顧客サービスを支援するService Cloudの機能も備えています。

ただし製造業では、このようなマーケティングのシステムとは別に、生産計画システムや基幹システムが必ず作られていて、新しいシステムはこれら既存のシステムと連携しなければ、業務全体の生産性向上が図れません。

そこでグローバルウェイでは、Manufacturing Cloudと生産計画システムや基幹システムを連携させるために必要なしくみを「Manufacturing Cloud +」として開発しました。このソリューションによりManufacturing Cloudの円滑な導入や普及にも貢献できると考えています。

――Manufacturing Cloudの特長は、基本的なSFA(営業活動支援)に加えて、販売予測の機能がついているところなのですね。

Manufacturing Cloudのどこが製造業向けかというと、販売予測を行うことで生産計画の精度向上が可能になるところです。これによってコスト削減を図ったり機会損失を防いだりするなど生産性向上を図ることが可能になりますが、予測を出すためには前提となる過去の取引や市場動向などのデータを入力する必要があります。

Slackでの関係者への通知などの機能を付加

SalesforceによるManufacturing Cloudのデータシートより

――「Manufacturing Cloud +」というソリューションを提供するグローバルウェイは、Manufacturing Cloud自体の導入支援と、システム連携のソリューションパッケージ提供の両方を手掛ける必要があるのですね。

そうです。クライアントのManufacturing Cloud導入支援と、Manufacturing Cloud +提供の両方を、当社があわせて行うということです。

Manufacturing Cloud +には、Manufacturing Cloud上のデータを既存システムにエクスポートするだけでなく、新たに付加する機能もあります。例えば、販売計画管理プロセスの中で、入力した販売計画が承認されたときなどに、関係者にSlackで自動的に通知が行くような設定が可能になっています。

また、最低発注単位など会社として決めたルール以外の入力があった場合にアラートが出る機能がありますし、ある商品を販売する際に必要な付属品などの関係性を登録して選択式で表示することも可能になっています。

――「Manufacturing Cloud +」の仕様は、どのように決めていったのですか。

まずはManufacturing Cloudの営業担当の方から、製造業の会社がこれを使ってどのような仕事の仕方をしているのか、という基本的な部分をヒアリングしました。その中で「こういう点が自動化できるといい」といったご意見もいただいています。

それを受けて、追加で必要な機能を私たちで想定し、製造業に詳しい方にレビューしていただいたという流れになります。特に当社社長の小山さんは、外資系コンサルティング会社で製造業を担当していたこともあってかなり詳しいので、多くのアドバイスをもらいました。

クライアントとの対話が重要に

――Manufacturing Cloud自体の導入支援も、いろいろありそうですね。

「Manufacturing Cloudを使って何をするのか」という基本的な構想は、Salesforceのパートナーなどの営業担当が、クライアントとの話の中で事前に決めていきます。しかし詳細については、当社のコンサルタントがクライアントにヒアリングをしながら設定や開発を行っていくことになります。

本格的なプロジェクトの稼働はこれからなので、あくまでも想定になりますが、例えばManufacturing Cloudの販売予測機能を利用するためには、市場成長度などの入力が求められますが、その際にクライアントにヒアリングをしながら数式に起こしていくことが必要になると考えられます。

また、クライアントの方がデータをひと目で見ることができるように、ダッシュボードの設計が必要になりますが、この場合にも、策定された構想に沿いつつ、クライアントにヒアリングをしながら作り込みをしていくことになると予想しています。

――今後の課題にはどのようなものがありますか。

Manufacturing Cloud+というソリューションでどのような価値が提供できるのか、といったことのPR材料の作成が課題です。現在、ソリューションのコンセプトと、操作イメージの2本立てでプロモーション動画を作成するプロジェクトが進行中です。

あとは人材採用ですね。現在セールスフォース事業本部では、Salesforce構築支援の事業拡大を進めています。一緒に働いてくれるコンサルタントを募集していますので、興味のある方はぜひカジュアル面談にエントリーしてみてください。

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